英語のシャワーを浴びれば、すなわち、英語をひたすらたくさん聴けば、ある時英語を聞き取れるようになる、というのは正しくないというのを何かで読んだことがある。
確かにそうだろう。私も中学・高校の授業で英語のカセットテープをよく聴かされたが、何を言っているのかほとんど解らなかった。授業では同じ英文は1、2回しか聴かなかったのだから聴き取れないのは当たり前なのだが、たとえ何十回聴いたとしても聴き取れないことには変わりはなかったはずだ。
短めの英文を聴いた後、その英文が書かれたテキストを実際に見るというふうにしなければ、大半の人は、いくらたくさん英語を聴いても解らないままだろう。
長い英文を聴いた後、その文を目で読む時、始めの方に出てきたフレーズを読んで納得したとしても、耳ではどう聴こえていたかはもう記憶にはない。
聴いた直後に見なければ解るはずがない。
では、短いものでいいから、ある英語のフレーズを、目では絶対に読まないで、繰り返し何回も聴くとする。始めは何を言っているのか解らなかったとしても100回以上聴いたら解るようになるだろうか。おそらく、5、6回聴いて解らないものは何十回、何百回聴いても解らないだろう。
私の場合、英語ではなく日本語でそれを経験している。具体的にいうと、歌の歌詞が、何回聴いても何を言っているのかさっぱり聴き取れないのだ。
◇『ドラゴンボールZ』の『でてこいとびきりZENKAIパワー!』の歌詞
駆けてくるよ アップル色モンスター
飛んでくるよ ナッツの香りエイリアン
ネットで検索して歌詞を読むまで「アップル色」と言っていたなんて解らなかった。何十回も聴いているはずなのに。
言葉はある程度予想しながら聴くものだから、予想外のものは聴き取りにくいのだ。
「アップル色」は特殊な言葉だから聴き取れないのは仕方ない。
逆に既知の言葉なら多少滑舌が悪くても聴き取れる。
「お正月にタコを揚げる」の「タコ」が「パコ」や「カコ」に近い発音だったとしても、頭では「タコ」と勝手に認識するものだ。
◇ドリカムの『晴れたらいいね』の歌詞
一緒に行こうよ 「こくわ」の実 また採ってね
かなり たよれるナビゲーターになるよ
ネットで歌詞を見たら「ナビゲーター」になってるけど、ユーチューブで確認したら「ナビ」と歌っていた。
「たよれるナビ」も聴いただけでは遂に解らなかった。
日本語でも何回聴いても聴き取れないものがあるのだから、英語のシャワーを浴びただけで英語のヒアリングが上達するわけがない。
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